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消化器外科

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大腸がんについて

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概要・特色

盲腸からS状結腸までにできる癌を結腸癌、直腸にできる癌を直腸癌と呼びます。この二つをあわせて大腸癌といいます。
大腸癌は食生活の欧米化により年々増加の一途をたどっており、日本でのがん死亡率は、胃癌を追い越し肺癌についで2番目に多くなっています。男女別では、女性では1位を占め、2020年には男性でも2位に上昇すると予想されています。
大腸癌も他の癌と同様に早期発見、早期治療が重要です。しかし進行した場合でも完治する可能性が高いのもこの癌の特徴です。

治療方法のご紹介

大腸癌の治療には大きくわけて、大腸内視鏡的治療、外科的治療(腹腔鏡手術、開腹手術)、化学療法、放射線治療などがあります。

大腸内視鏡的治療

早期癌症例では手術を行わず大腸内視鏡を用いた切除で治癒可能な場合もあります。

外科的治療

内視鏡的切除が適応とならない早期癌と進行癌が適応となります。外科的切除は進行度に応じて腹腔鏡下手術と開腹手術を行っていますが、近年当科では腹腔鏡下手術の適応を拡大し、腹腔鏡下手術が大部分を占めるようになってきました。また、直腸癌の手術においては、機能温存の為、可能な限り人工肛門を作らずに肛門機能を残すように勤めています。

イメージ がんの部分とリンパ節を扇状に切除

手術の有効性はがんの進行度によって異なりますが、おおむねリンパ節転移のない患者さん(Stage 0~Ⅱ)を治療した場合、5年生存率で85~100%、リンパ節転移のある患者さん(StageⅢ)の場合50~75%です。遠くの臓器に転移(遠隔転移)のある患者さん(StageⅣ)の場合15%です。が、近年の化学療法の目覚ましい進歩により、徐々に改善されています。

イメージ 直腸がんの解剖と切除範囲

腹腔鏡下手術

全身麻酔をかけた後、 臍の近くを約1.5センチメートル切開開腹し腹腔鏡用トロッカーを挿入し、CO2(二酸化炭素)による気腹を行い、腹腔内に操作スペースをつくります。3~4か所のトロッカーを追加刺入し、術者はモニター画面を見ながら細長い鉗子を用いて手術を行います。手術の内容は開腹手術とほぼ同様です。

イメージ 腹腔鏡(カメラ)と切除術

腹腔鏡(補助)下手術の利点としては、低侵襲であることで術後の回復が早い、術創が小さく術後の創痛が軽い、美容的に良好、手術による癒着が軽度であるなどが挙げられます。一方、問題点としては、手術時間が長い、気腹に伴う特有の合併症がある、手術手技が難しい(視野の確保、止血操作など)、手術器具のコストが高い、などが挙げられます。この様な問題点もありますが、当科では腹腔鏡手術の安全性を確保しつつ適応を拡大し、低侵襲手術に尽力しています。

化学療法

基本的に大腸癌治療のガイドラインに沿って行っています。状態に応じて経口抗癌剤(UFT、 Xeloda、 TS-1)、注射抗癌剤(5-FU、イリノテカン、オキサリプラチン)や分子標的薬剤(アバスチン、ベクティビックス、アービタックス)を使った治療を行っています。
常に数種類の臨床試験(治検)にも参加しております。

放射線療法

大腸癌の治療で主役となるのは手術治療です。大腸癌に対して行われる放射線療法は、多くが化学療法とともに行われ「化学放射線療法」と呼ばれます。手術による切除が可能な直腸癌において、再発を防いだり、癌の増殖の勢いを弱めるために術前に行う場合と、再発した癌に対して増殖の勢いを弱めるために行う場合があります。また、再発した大腸癌による痛みや出血などの症状を和らげるために行う場合もあります。2012年より導入された強度変調放射線治療(IMRT)により、高精度で副作用の少ない照射が可能になりました。

強度変調放射線治療(IMRT)

専用のコンピュータを用いて、腫瘍の形に適した放射線治療を行う新しい照射方法です。腫瘍に放射線を集中し、周囲の正常組織への照射を減らすことができるため、副作用を増加させることなく、より強い放射線を腫瘍に照射することが可能になります。

直腸癌の手術

直腸癌手術の歴史

過去長い年月にわたり直腸癌の手術は、永久的な人工肛門を作成する「直腸切断術」という手術が行われてきました。年頃から手で縫わなくても腸管を吻合できる手術器械(自動吻合器)が普及し始め、手で縫うことが困難な直腸下部の腸管吻合が自動吻合器で行われるようになりました。この手術は「低位前方切除術」と呼ばれます。それ以降、低位前方切除術という肛門温存術式が広く行われ、直腸癌=人工肛門という手術は過去のものになりました。
しかし、肛門に極めて近い部位(3センチメートル~5センチメートル以内)に位置する超低位の直腸癌に対しては、現在でも一部の専門施設でしか肛門温存手術は行われておりません。当科では2006年から、究極の肛門温存手術である内肛門括約筋切除を伴う超低位直腸切除術(intersphincteric resection,以下ISR)を導入しました。

内肛門括約筋切除(intersphincteric resection,以下ISR)

肛門に近い部位に位置する超低位の直腸癌に対して、永久的人工肛門をつくらず、自然肛門を温存する術式です。直腸癌の進行度や部位に応じて、内肛門括約筋を全部又は部分的に切除することで、癌に対する安全距離を確保し、癌を根治的に切除します。
この術式を行うことで、従来「直腸切断術」により永久的人工肛門を作成しなければならなかった方が、それを回避でき、自然肛門が温存されるようになりました。ただし、吻合部分は肛門の皮膚に限りなく近くなるため、従来の低位前方切除や超低位前方切除術後よりもさらに、排便機能の障害が強く出ることがあり、術後には排便訓練が必要となります。従って、全ての方にお勧めできる手術ではありません。年齢、職業、生活スタイル、肛門機能を総合的に評価して、最適な手術術式を一緒に選んでいます。

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