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呼吸器外科

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概要・特色

呼吸器外科は当院呼吸器センターの外科部門を担当しており、原発性肺がんや縦隔腫瘍を中心とした胸部の腫瘍に対する手術や、気胸などの良性疾患に対する手術など、心臓・大血管を除く胸部外科領域の手術を幅広く担当しています。現在、そのほとんどの手術で4K3D内視鏡システムを使用した胸腔鏡下手術(VATSバッツ)を行い、できるだけ体への負担を軽くするための低侵襲手術を提供しています。国内外で研修を終えた呼吸器外科専門医2名が常勤しており、呼吸器外科専門医機構の基幹施設に選出されています。
主な対象疾患は、原発性肺がん、いろいろな臓器からの転移性肺腫瘍、自然気胸、縦隔腫瘍、悪性胸膜中皮腫などであり、年間200件前後の呼吸器外科手術、100件超の原発性肺がん手術を施行しています。地域の中核機関として高いレベルの医療を、地域の皆さまへ提供できるよう鋭意努めています。他院からのセカンドオピニオンの依頼をお受けし、ご希望の施設があれば快く情報提供もさせていただきます。また日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の肺がん外科グループの参加施設ならびに、また西日本がん研究機構(WJOG)の正会員です。質の高い臨床試験へ参加したり、会議やセミナーに定期的に出席したりして最新情報の収集に努めています。
代表疾患である原発性肺がんに対する進行度別の治療成績(最新の肺癌取扱い規約第8版に基づきます)と、内視鏡手術件数を含めた年度別推移のグラフを図に示します。

図 原発性肺がんに対する手術成績(手術から再発無く経過する患者さんの割合; 2009年4月から2021年3月までの非小細胞肺がん完全切除例 928例)

グラフ

図 内視鏡使用手術(VATS)割合を含めた年度別手術件数の推移

グラフ

診療内容・対象疾患

診療内容

対象疾患

当科では原発性肺がん、転移性肺腫瘍、自然気胸、縦隔腫瘍、悪性胸膜中皮腫など心臓・大血管を除く胸部外科領域全般の手術を担当しています。特色として、4K3D内視鏡システムを使用した胸腔鏡下手術(VATSバッツ)を行い、できるだけ体への負担を軽くするための低侵襲手術を提供しています (写真参照)。脇の下あたりに直径0.5-3.0センチメートル程度の穴を3-4箇所程度作成し、そこから棒状の長い鉗子や自動縫合器などを使用しながら患部の切除を行う、体に負担の少ない術式です。見た目の傷の大きさだけでなく、早期の回復、術後の痛みの軽減により従来に比べ入院期間も大幅に短縮されています。下記に疾患別の主な手術方法を紹介します。なお「胸腔鏡下」と名前のつく手術は、基本的に4K3D内視鏡システムを使用した手術です。

グラフ
写真 4K3D内視鏡を使用した胸腔鏡下手術の手術風景

原発性肺がんに対する手術

胸腔鏡下肺葉切除術

肺癌診療ガイドラインにおいて根治手術が可能な原発性肺がんに対する標準術式は肺葉切除術+所属リンパ節郭清術です。肺がんの存在する肺葉(肺は右3つ、左2つの肺葉に分かれています)を摘出し、さらに周囲のリンパ節を切除します。

胸腔鏡下肺区域切除

上述の肺葉切除よりも小範囲の切除となります。腫瘍の存在する肺区域(肺葉のさらに小さな区分けになります)を摘出することにより、肺葉切除に比べ切除範囲の縮小による肺機能の温存と、腫瘍の確実な切除を目指した手術です。現在は早期の肺がん(0期や1期の肺がんの一部)や、ご高齢や併存疾患があるために肺をできるだけ残した方がいい患者さんに施行しています。

胸腔鏡下肺部分切除

肺の表面付近を部分的に切除する手術で、切除範囲は肺葉切除や区域切除に比べて最も小さくなります。早期の肺がん(0期)やご高齢や併存疾患があるため肺をできるだけ残した方がいい患者さんに施行しています。

周囲臓器の合併切除を伴う拡大手術や気管支形成術

腫瘍の摘出が一見困難に見えるような病態においても、完全切除が可能であれば手術を提案させていただくことがあります。進行肺がんにおいても可能な限り胸腔鏡下に行いますが、腫瘍を完全切除するために胸壁や周辺臓器、気管気管支形成術(気道の再建)が必要な場合には、10-25センチメートル程度の開胸手術を行うこともあります。抗がん剤治療や放射線療法を加えた集学的治療により完全切除を目指すこともあります。

転移性肺がんに対する手術(胸腔鏡下肺部分切除術、肺区域切除、肺葉切除)

肺は全身の血液が戻ってくる臓器であるため、他臓器のがんが肺に転移することがあり、切除を検討することがあります。たとえ両側肺に存在しているときでも、切除可能と判断した場合には、できるだけ切除を考慮します。肺の部分切除、区域切除、肺葉切除など病変の範囲に応じて切除範囲を決定します。

自然気胸に対する手術(胸腔鏡下ブラ切除術)

肺から空気漏れが生じて胸腔内で肺が虚脱した状況を気胸といいます.その原因は肺嚢胞(ブラ)や気腫性肺嚢胞などが破れることです.気胸に対する治療は① 経過観察、② 胸腔ドレナージ(管を入れた治療)、③ 手術があります。①は肺虚脱の程度が少ない際に選択します。②では空気漏れが消失すれば管を抜去します。③の手術は再発気胸や胸腔ドレナージを施行したにも関わらず空気漏れが継続する場合などに選択します。気胸の原因となる肺嚢胞などを切除し、さらにカバーリング材による補強などにより再発予防をすることもあります。

縦隔腫瘍に対する手術

胸腔鏡下縦隔腫瘍切除術

左右胸腔(肺の入った空間)の間に挟まれた部位を縦隔といい、心臓や気管,食道,その他血管・神経のある部分を指します。同部に発生した腫瘍を総称して縦隔腫瘍といいます.良性・悪性様々な疾患が該当し(胸腺腫・胸腺嚢胞・胸腺癌,奇形腫,胚細胞腫,神経原性腫瘍,気管支原性嚢胞など)、外科的切除が適応であれば、可能な限り胸腔鏡下手術を適用します。胸腔鏡下に切除が難しいときには開胸下に切除を行ったり、胸骨正中切開にて行ったりすることがあります。病変の広がりによっては周囲の臓器(肺や心膜など)を合併切除することもあります。胸腺腫は重症筋無力症を合併することがあり拡大胸腺摘出術という術式を選択することがあります。

縦隔鏡下リンパ節生検術

主に気管周囲のリンパ節へのがん細胞の転移の有無や、リンパ節の腫れている原因について確定診断を行うために行います。基本的には今後の治療方針を決定するための検査目的の術式です。頚部に2-3センチメートル程度の傷を設け、気管に沿ってカメラ(縦隔鏡)を挿入し必要な病変を採取します。

悪性胸膜中皮腫に対する手術

胸腔鏡下胸膜生検術

胸膜(胸腔を裏打ちする膜;壁側胸膜、ならびに肺の表面を覆う膜;臓側胸膜)に腫瘍性病変を認める時に診断目的で行う手術です。 基本的には今後の治療方針を決定するための検査目的の術式です。側胸部に1−2箇所の小さな傷を作成し、胸膜の採取を行います。診断には通常の病理診断以外に免疫染色など特殊な検査が必要です。胸水(胸腔内の液体)が貯まらないように癒着剤を胸腔内に散布することがあります。

片側胸膜肺全摘術

壁側胸膜より内側に存在する胸膜・肺をすべて切除する手術です。心膜や横隔膜を合併切除し、さらにそれらを再建することもあります。呼吸器外科領域の中ではもっとも体への負担の大きな手術です。手術の前後に抗がん剤や放射線などを追加することがあります。近年では状況に応じて、肺実質は残して胸膜のみを切除する胸膜切除・肺剥皮術を選択することもあります。

その他の手術

上記以外には間質性肺炎の確定診断のための外科生検手術、真菌や非定型抗酸菌症などの感染症に対する手術、胸壁腫瘍に対する胸壁切除/再建術、横隔膜縫縮術などの心臓・大血管を除いた胸部手術全般を施行しています。様々な病態に対し可能な限り胸腔鏡下手術を適用することにより、体に負担の少ない手術を目指しています。

禁煙について

呼吸器外科手術では主に肺あるいはその近くを操作します。手術後お元気に退院していただくためには、合併症を予防する必要があります。たばこを吸っていらっしゃる方は、手術後に粘り気のある痰が多く出ますし、さらに痰を排除する仕組みも衰えるため、肺炎を起こしやすくなります。よって手術前の禁煙は必須です。手術後退院後についても、折角の機会ですし新たな肺炎や肺がんの発生を防ぐために、禁煙の継続をお勧めしています。

周術期の呼吸リハビリテーションについて

手術の合併症予防として禁煙と並び呼吸リハビリテーションがとても重要です.手術後はみなさんに呼吸リハビリテーションを行っていただいています.特に重喫煙者や70歳以上のご高齢の方には、手術後のみならず手術前から行っていただくようにしています。医師のみならず看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士など様々な職種のスタッフが関わることにより、一丸となって合併症予防を行い、患者さんが元気に退院していただくことを目標に、きめ細やかな周術期管理を行っています。

治療診療実績

2020年度の手術件数の内訳を表に示します。

表 手術対象疾患(2020年度)
原発性肺がん 109 転移性肺腫瘍 31 縦隔腫瘍 11
胸壁腫瘍 3 気胸/嚢胞性肺疾患 9 膿胸 4
良性肺腫瘍 8 悪性胸膜中皮腫 4 その他 3
        合計 182

現在行っている臨床研究

  1. 肺切除後肺瘻の予測に対する麻酔器モニターを用いた術中エアリーク量測定の有用性の検証
  2. 若年者自然気胸術後の胸腔ドレーン長が術後疼痛に与える影響の検討
  3. 原発性肺癌手術時の胸膜プラークの有無と臨床病理学的特徴・予後との関連について
  4. 2021年に外科治療を施行された肺癌症例のデータベース研究
  5. 当院HPがん診療より  がん診療について →治験・試験 →2.臨床試験・臨床研究 →呼吸器外科

2017年以降の研究実績:論文(筆頭のみ)

【英文】
  1. Kamigaichi A, Mimura T, Yamashita Y: Novel Microwave Surgical Instrument for Use in Various Lung Resection Situations. Journal of Cardiothoracic Surgery. 2021; 16: 305.
  2. Nishina M, Mimura T, Yamashita Y: Thrombocytopenia successfully treated by a multilocular thymic cyst resection. European Journal of Cardiothoracic Surgery. 2021 Oct 1. Online ahead of print.
  3. Mimura T, Yamashita Y: Lung segmentectomy with novel microwave surgical instrument (Acrosurg. Revo). Asian Journal of Endoscopic Surgery. 2021: 14; 821-823.
  4. Kagimoto A, Mimura T, Yamashita Y: A survived case of penetrating neck injury with intrathoracic organ damage. Surg Case Rep. 2021 26; 7: 78.
  5. Hirai Y, Yamashita Y, Mimura T: Negative pressure wound therapy for broncho-pleural fistula with collapsed lung. General Thoracic and Cardiovascular Surgery. 2021; 69: 890-893.
  6. Mimura T, Yamashita Y: Video-assisted thoracoscopic surgery using a three-dimensional thoracoscopic system as an educational tool for surgical trainees in general thoracic surgery. General Thoracic and Cardiovascular Surgery. 2021; 69: 511-515.
  7. Kagimoto A, Mimura T, Yamashita Y: Severity of emphysema as a prognosticator of resected early lung cancer: an analysis classified by Goddard score. Japanese Journal of Clinical Oncology. 2020; 50: 1043-1050.
  8. Mimura T, Yamashita Y: Safety of a Novel Microwave Surgical Instrument for Lung Parenchyma Dissection During Segmentectomy. The Annals of Thoracic Surgery. 2020; 109: 1692-1699.
  9. Mimura T, Yamashita Y: Efficacy of complete video-assisted thoracoscopic surgery lobectomy using the three-dimensional endoscopic system for lung cancer. General Thoracic and Cardiovascular Surgery. 2020; 68: 357-362.
【和文】
  1. 宮本竜弥,三村剛史,山下芳典:小細胞癌との鑑別を要した腺様嚢胞癌の1 切除例.肺癌.2021; 61: 189-194.
  2. 村田大樹,三村剛史,山下芳典:気管支充填術と胸腔内洗浄により治癒した肺膿瘍穿破による有瘻性膿胸の1例.広島医学.2021; 74: 346-351.
  3. 坂本勇樹,三村剛史,山下芳典:短期間に増大し心膜浸潤が認められた前縦隔原発平滑筋肉腫の1例.胸部外科.2021; 74: 720-723.
  4. 上垣内篤,三村剛史,山下芳典:腫瘍径7cm超の低悪性度胎児型腺癌の1切除例.肺癌.2020; 60: 995-1000.
  5. 鍵本篤志,三村剛史,山下芳典:外傷性胸骨骨折に対する早期の胸骨固定術. 胸部外科. 2019; 72: 1076-1079.
  6. 鍵本篤志,三村剛史,山下芳典:3D内視鏡システムを用いて横隔膜縫縮術を施行した横隔膜弛緩症の1例. 日本呼吸器外科学会雑誌. 2018; 32: 94-98.
  7. 村上千佳,三村剛史,山下芳典:若年者に発生した肺原発筋上皮腫の1 切除例.日本呼吸器外科学会雑誌.2018; 32: 594-599.
  8. 三村剛史,山下芳典: 肺癌に対する3D完全胸腔鏡下肺葉切除術の有用性 傾向スコア解析による比較検討.広島医学. 2018; 71: 469-474.
  9. 山下芳典: チーム医療のコラボレーションを遂行するためのTCSA (Total Care Support Association) の試み. 医療.2018; 72: 172-176.
  10. 三村剛史,山下芳典: 三次元内視鏡システムを用いた完全胸腔鏡下肺葉切除術の有用性.日本呼吸器外科学会雑誌.2017; 31: 579-585.
  11. 山下芳典: がん患者の代謝と栄養管理.東口高志,編.血液がん患者の栄養療法,医薬ジャーナル.2017; 123-126.

意見、ご質問がございましたらご連絡下さい。
医師の方へ:4K3D内視鏡システムを使用した胸腔鏡手術やマイクロ波メスを用いた肺区域切除術の見学を随時受け付けております。
事務局・ご意見箱:kubota.makiko.ud@mail.hosp.go.jp

スタッフ紹介

氏名 職名・免許取得 専門医、認定医等 得意とする分野
ミムラ タケシ
三村 剛史
呼吸器外科科長
腫瘍統計・疫学研究室長
広島大学医学部臨床准教授
医学博士
平成11年
日本外科学会指導医・専門医・認定医
呼吸器外科専門医
日本がん治療認定機構認定医
肺がんCT検診認定医
日本胸部外科学会評議員
日本呼吸器外科学会評議員
日本肺癌学会評議員
日本呼吸器外科学会 胸腔鏡安全技術認定
肺がん,縦隔腫瘍,気胸,その他呼吸器外科一般
胸腔鏡手術(VATS)
カギモト アツシ
鍵本 篤志
呼吸器外科医師
平成25年
日本外科学会専門医
呼吸器外科専門医
肺がん,縦隔腫瘍,気胸,その他呼吸器外科一般
イシダ マサユキ
石田 聖幸
呼吸器外科医師
平成30年
  呼吸器外科一般
ヤマシタ ヨシノリ
山下 芳典
非常勤医師   呼吸器外科一般

外来診療日割表

午後の診察は完全予約制となっています。

休診の場合がございますのでこちらでご確認ください。

診察時間 月曜 火曜 水曜 木曜 金曜
午前 三村 手術日 三村 三村
(初診のみ)
鍵本
手術日
午後 三村 手術日 三村 鍵本 手術日

手術日:全日 火曜日・金曜日

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