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救命救急センターは、重篤な救急患者への救命医療を確保することを目的に設置された、地域の救旧医療体制の「最後の砦」としての機能を持つ救急医療機関です。広島県には平成29年4月現在、広島大学病院に高度救命救急センターが設置されており、その他救命救急センターが4病院、地域救命救急センターが2病院あり、当院は広島市民病院に次いで県内で2番目に設置された救命救急センターです。救命救急センターの大きな役割として、1.重症および複数の診療科領域にわたる、重篤な患者を24時間体制で受け入れる、2.初期救急医療施設及び第二次救急医療施設における患者状態の悪化に対応して救急搬送患者を受け入れる、3.医学生、臨床研修医等に対する救急医療の臨床教育を行う、の3つがあります。令和2年度に当院で受け入れた救急車台数は2762台、厚生労働省に報告した令和2年の当救命救急センターで受け入れた重篤患者数は600名でした。令和2年の年間応需率は、87%となっています。
疾病名 | 基準(基準を満たすもののみ数えること) | 患者数 (人) |
退院・転院 (転棟を含む) (人) |
死亡 (人) |
---|---|---|---|---|
病院外心停止 | 病院への搬送中に自己心拍が再開した患者及び外来で死亡を確認した患者を含む。 | 95 | 17 | 78 |
重症急性冠症候群 | 切迫心筋梗塞または急性心筋梗塞と診断され患者若しくは緊急冠動脈カテーテルによる検査又は治療を行った患者 | 120 | 113 | 7 |
重症大動脈疾患 | 急性大動脈解離又は大動脈瘤破裂と診断された患者 | 27 | 18 | 9 |
重症脳血管障害 | 来院時JCS 100以上であった患者、開頭術、血管内手術施行された患者又はtPA療法を施行された患者 | 63 | 51 | 12 |
重症外傷 | Max AISが3以上であった患者(緊急手術が行われた症例は含まない) | 67 | 64 | 3 |
緊急手術が行われた患者(Max AISが3以上であった患者は含まない) | 8 | 8 | 0 | |
Max AISが3以上かつ緊急手術が行われた患者 | 5 | 5 | 0 | |
四肢切断(四肢または指趾の切断) | 四肢もしくは指趾の切断ないし不全切断と診断され、再接合術が実施された患者 | 0 | 0 | 0 |
重症熱傷 | Artzの基準により重症とされた患者 | 0 | 0 | 0 |
重症急性中毒 | 来院時JCS 100以上であった患者又は血液浄化法を施行された患者 | 11 | 10 | 1 |
重症消化管出血 | 緊急内視鏡による止血術を行った患者 | 19 | 19 | 0 |
重症敗血症 | 感染性によって重篤な臓器障害が引き起こされた患者 (うち敗血症性ショックは25名) |
51 | 35 | 16 |
重症体温異常 | 熱中症又は偶発性低体温症で臓器不全を呈した患者 | 6 | 2 | 4 |
特殊感染症 | ガス壊疽、壊死性筋膜炎、破傷風等と診断された患者 | 0 | 0 | 0 |
重症呼吸不全 | 呼吸不全により人工呼吸器を使用した患者(1から12までを除く。) | 63 | 60 | 3 |
重症急性心不全 | 急性心不全により、人工呼吸器を使用した患者又はSwan-Ganzカテーテル、PCPS若しくはIABP使用症例(1から12までを除く。) | 38 | 38 | 0 |
重症出血性ショック | 24時間以内に10単位以上の輸血であった患者(1から12までを除く。) | 13 | 11 | 2 |
重症意識障害 | JCS 100以上が24時間以上持続した患者(1から12までを除く。) | 13 | 10 | 3 |
重篤な肝不全 | 血漿交換又は血液浄化療法施行例(1から11までを除く。) | 0 | 0 | 0 |
重篤な肝不全 | 肝不全により、血漿交換又は血液浄化療法を施行された患者(1から12までを除く。) | 0 | 0 | 0 |
重篤な急性腎不全 | 急性腎不全により、血液浄化療法を施行された患者(1から12までを除く。) | 1 | 1 | 0 |
その他の重症病態 | 重症膵炎、内分泌クリーゼ、溶血性尿毒症性症候群等に対して、持続動注療法、血漿交換又は手術療法を施行された患者(1から18までを除く。) | 0 | 0 | 0 |
合計 | 600 | 462 | 138 |
また、当院の救命救急センターは、救急医療のみならず集中治療分野においても診療を行っており、「チーム医療」を基本として、他科の医師や多職種のスタッフの協力を得ながら、救命救急センター病棟内のICUにおいて、重症患者に対する呼吸、循環管理を中心とした集中治療を行っています。
医学生、臨床研修医等に対する救急医療の臨床教育に関しては、当院に所属する年間で20名程度のすべての初期臨床研修医が、救命救急センターにて2か月に渡る研修を受けており、その他、広島大学医学部の学生や初期研修医、広島国際大学の救急救命学科、呉、江田島消防の救急救命士などの研修・指導を行っています。
当院は国立病院機構(NHO)基幹災害拠点病院、広島県災害拠点病院の指定を受けており大災害時に被災地に急行する日本DMATを2チーム養成しています。
平成23年3月11日の東日本大震災では、3月11日にDMATを出動させました。当院のDMATは、3月13日に福島第1原子力発電所事故の避難所である福島県二本松市の男女共生センターに出動しました。避難所での仕事は、避難者への「危険な放射性物質による汚染がないことの確認による安心安全の確保」を目的に放射線のスクリーニング検査を担当しました。
平成26年8月の広島土砂災害では、DMATを1隊派遣し、安佐南消防署において東広島医療センターDMATと共にDMAT本部の運営を行いました。また、平成28年3月広島県の八本松トンネル事故においてもDMATの派遣を行いました。
平成28年4月16日の熊本地震においては、4月16日と4月18日にそれぞれDMAT1隊が熊本県菊池市へ出動し、医療活動を行いました。
平成30年7月の西日本豪雨では呉地域も甚大な被害があり、当院にて多数の傷病者を受け入れると同時に、7月7日には呉市天応地区にDMAT1隊を派遣して、土砂災害現場にて救助活動中の傷病者に対して医療行為を実施しました。
氏名 | 職名・免許取得 | 専門医、認定医等 | 得意とする分野 |
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![]() 岩﨑 泰昌 |
救命救急センター部長 救急科科長 広島大学医学部臨床教授 医学博士 平成3年 |
日本救急医学会専門医・指導医 日本集中治療医学会専門医 日本熱傷学会専門医 日本中毒学会クリニカル・トキシコロジスト 日本DMAT |
救急医学 集中治療医学 法医学 |
![]() 上田 猛 |
救命救急科医師 平成18年 |
救急科専門医 脳神経外科専門医 脳卒中専門医 集中治療科専門医 日本DMAT隊員 日本スポーツ協会スポーツドクター |
救急医学 神経集中治療 脳卒中 |
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