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当科の診療は肺がんと肺炎が中心です。特に肺がんは治療の進歩が目覚ましく、長期生存が期待できるようになってきてきました。また肺気腫、気管支喘息、間質性肺炎、胸膜中皮腫、睡眠時無呼吸などの治療も以前に比べ新たな治療法が開発されていますので、その取り組みも含めて紹介します。
日本呼吸器学会認定施設
日本呼吸器内視鏡学会認定施設
肺がんを確実に診断するためには気管支鏡検査が必要です。この検査は外来でもできますが、当科では患者さんの苦痛を除くために静脈麻酔を使い、検査中は基本的に意識のない状況でおこなっています。そのため、安全性に配慮しているため一泊二日の入院での検査になります。
基本的には抗がん剤治療には様々な副作用があり、定期的な点滴治療が多くあります。抗がん剤は最初の1~2週間は入院で行い、その後は外来化学療法センターで通院にて継続しています。 外来で治療できる抗がん剤治療に関しましては基本的に外来通院で行っています。ただし、外来通院による治療がご心配の方には入院治療を選択肢にいれることも可能な場合がありますので、主治医に御相談ください。
(1)分子標的薬
分子標的薬は、これまでの抗がん剤と異なり、80才以上の高齢者や体力が少し落ちた患者さんに対しても行える治療薬です。それによって、がん症状が劇的に改善され、長期に生きられるようになってきました。さらに、この薬を使い続けると効きが悪くなってきますが、最近、それを補う新たな分子標的薬が開発され、一層の長生きにつながると期待されています。
(2)免疫チェックポイント阻害薬
100年以上も前から研究されてきた免疫治療薬として、最近、免疫チェックポイント阻害薬が開発されました。この薬は患者さん自身の免疫力を高めて、がんの進行を抑えます。この薬によって長期の生存ができるようになり、治療を開始してから5年間生きる確率が従来の抗がん剤に比べて4倍高くなることが2017年5月に報告されています。
(3)放射線治療装置トモセラピーによる化学放射線治療
少し進行して手術ができない肺がんに対しては、抗がん剤と放射線とを併用した治療で完全治癒を狙っています。2012年からは新しい放射線治療装置トモセラピー(図3)が導入され、正確で安全性の高い放射線治療が可能となっています。今後は一点に絞ったピンポイント照射によって、特に高齢者の患者さんに対して、手術に匹敵する程の治療成績が得られるようになると思います。
抗がん剤治療を長期間繰り返してくると、患者さんの生活の質が低下したり、逆に寿命が短くなったりします。それをできるだけ防ぐためには、緩和治療や緩和ホスピスなどへの移行ならびに将来についての患者さんとの現実的な対話が必要となってきます。その一環として当科では、医師、看護師、心理療法士、薬剤師など多くの職員が患者さんと一緒になって話し合う、がんカウンセリングを診断時から行っています。
この病気は造船業の町、呉に多く、職業的に石綿を吸った方に起こります。さらに最近では工場の近くや建築物の破壊などによる大気汚染によって起こる場合があり注意が必要です。この診断と治療には他の診療科との連携が必須であり、呼吸器外科、放射線科、病理部門などと協力して診療をしています。
高齢化に伴い年々増加し、2015年の283名から2016年には321名の肺炎の患者さんが入院され、肺がんに次いで二番目に多い病気となっています。重症の肺炎患者さんに対しては救命救急センターで人工呼吸器を使って治療しますが、最近では苦痛の少ない人工呼吸器が開発され、高齢者にとって負担の少ない治療となっています。
肺気腫(COPD)は咳、痰、息切れが主な症状ですが、それが徐々に出現するため、気が付かず、治療も遅れがちになります。しかし肺機能検査を行えば、ほぼ確実に診断ができます。また以前に比べ、最近では新しい薬が開発され、早期の症状改善や病気の重症化を防げるようになってきています。
またタバコは肺がんや肺気腫だけでなく、心筋梗塞、脳梗塞などのいわゆるメタボリックシンドロームの原因にもなり禁煙が重要です。当科では2007年から禁煙外来を開始し、当初の禁煙成功率が約40%でしたが、新薬の開発もあり、現在は60%と増加しています。
以前は、喘息発作で入院される患者さんが多かったのですが、最近は吸入ステロイドという薬によって激減しました。しかし、色々な治療をしても喘息症状が良くならない場合もあります。そのような重症の喘息患者さんに対して気管支鏡を使い、気管支を温めて発作を軽減する気管支サーモプラスティという最新の治療が開発されました。その装置を当院でも整備し2016年6月1日から行えるようにしています。
この病気は肺の伸び縮みが徐々に悪くなり、息苦しくなってきます。これに対する有効な治療薬は長い間、ありませんでしたが、最近、病気の進行を抑制する新たな分子標的薬が開発され、治療に期待が持てるようになってきました。さらに当科では国立病院機構の特発性間質性肺炎研究班に属し、診断や治療の開発を研究しています。そのため患者さんに御協力をお願いして治療経過を見させて頂いています。
いびきが強かったり、夜間に息が止まったり、昼間に眠かったりする症状があれば、この病気を疑います。当科では一泊二日の入院での無呼吸検査を行い、診断がつけば呼吸補助器具の装着を勧めています。
氏名 | 職名・免許取得 | 専門医、認定医等 | 得意とする分野 |
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![]() 妹尾 直 |
呼吸器内科科長 医学博士 平成11年 |
日本呼吸器学会専門医 日本内科学会総合内科専門医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医 日本アレルギー学会専門医 日本臨床腫瘍学会指導医 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 日本がん治療認定機構がん治療認定医 |
呼吸器内科一般 |
![]() 福原 和秀 |
呼吸器内科医師 医学博士 平成18年 |
日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医 日本内科学会総合内科専門医 日本内科学会認定内科医 日本がん治療認定機構がん治療認定医 呼吸器難病指定医 |
呼吸器内科一般 |
![]() 荒木 佑亮 |
呼吸器内科医師 医学博士 平成23年 |
日本呼吸器学会呼吸器専門医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医・気管支鏡専門医 日本内科学会認定内科医 |
呼吸器内科一般 |
![]() 三登 峰代 |
呼吸器内科医師 平成25年 |
日本呼吸器学会呼吸器専門医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医 日本内科学会総合内科専門医 日本内科学会認定内科医 |
呼吸器内科一般 |
![]() 長岡 真実 |
呼吸器内科医師 令和4年 |
呼吸器内科一般 |
※ 午後の診察は完全予約制となっています。
※ 休診の場合がございますのでこちらでご確認ください。
診察時間 | 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 |
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午前 | 荒木 妹尾 |
福原 | 妹尾 福原 |
荒木 | 三登 |
午後 | 禁煙外来 | 荒木 |
※ 水曜日午後 禁煙外来12時から13時まで:福原和秀
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