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皮膚に症状がある病気はすべて皮膚科診療の対象となります。そのため男女を問わずあらゆる年齢の方が受診されています。当科では湿疹、水虫といった一般的な皮膚疾患から、皮膚がん、水疱症、乾癬、膠原病など専門的な疾患まで総合的に診療しています。
皮膚の疾患では、皮膚以外に原因があるケースをしばしば経験します。
当院には多数の専門科があり、上記のような際に速やかに他科と連携を取って治療に当たっています。
外来では月曜日から金曜日の午前中、火曜・水曜日の午後に診察を行っています(午後は再診のみ)。
常勤医師2名の2診体制です。
また、月曜から木曜日の午後から外来で小手術、金曜日の午後から手術室での手術を行っています。
アトピー性皮膚炎、にきび、蕁麻疹、尋常性乾癬、薬疹・中毒疹、水疱症(尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡)
膠原病(全身性エリテマトーデス・強皮症・皮膚筋炎・皮膚の血管炎など)、脱毛症
白癬(水虫、爪水虫など)、細菌感染症(蜂巣炎など)、ウイルス感染症(いぼ、帯状疱疹など)
皮膚良性腫瘍(線維腫、粉瘤、脂肪腫など)、皮膚悪性腫瘍(基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫など)
その他皮膚に症状のある疾患すべて
皮膚科疾患の診断の第一は病歴のききとり、皮膚の症状の視診が基本となります。皮膚科の疾患は多くの場合が皮膚に目に見える症状があるため、特殊な器具や検査を行わなくても十分な経験があれば診断が可能です。その点、内科やそのほか見えない部位に病気がある診療科と大きく異なります。それでも診断が困難な場合には皮膚の一部を切り取って顕微鏡で調べる検査(皮膚生検)や、皮膚に症状があるものの病気が皮膚の下にも広がっている場合にはCTやMRIといった画像診断を行います。感染症や中毒疹、膠原病などでは血液検査や尿検査などが診断の一助となります。
皮膚科で行う特殊な検査としては、水虫の感染の有無を確かめる直接鏡検、かぶれの原因を調べるためのパッチテスト、日光の過敏性を調べる紫外線による最小紅斑量の測定、黒い皮膚腫瘍を非侵襲的に調べるダーマスコープなどがあります。
以下に代表的な皮膚疾患の治療を簡単に記載します。
アトピー性皮膚炎の多くは乳幼児期に発症し長期にわたって症状が持続します。そのことから患者さんの多くが治療が長期にわたることに対して不安や不満をもたれています。また、ステロイド外用剤の副作用に対する不安が強く、多くの根拠のない民間療法やアトピー性皮膚炎を相手にした詐欺まがいの治療法にたよることがあり健康被害や経済的な損失など社会問題ともなっています。現在では厚生労働省、日本皮膚科学会がそれぞれ治療ガイドラインの作成し、標準的な治療法が確立されています。当科においても原則的にはこのガイドラインに沿って治療をおこなっています。多くの患者さんがこの標準的な治療を行うことで症状が改善しQOLの改善がみられています。治りにくい場合には入院加療も行っていますのでご相談ください。
じんま疹にはその発症の原因がはっきりしているものとよくわからない特発性のものの2種類があります。原因がはっきりしている場合には患者さんご自身が気づかれることが多く、毎日決まった時間に出るような場合は特発性のじんま疹であることがほとんどです。一般的にじんま疹全体の70から80%が特発性と考えられています。原因が明らかである場合には原因を避けるのが第一であり、内服薬はあまり効果がありません。特発性の場合には抗ヒスタミン薬の内服が有効ですが、難治な場合にはステロイド剤の内服や免疫抑制剤の内服が必要となることがあります。治療を継続することにより症状は軽快してきますので焦らずじっくりと治療を続けることが重要です。
尋常性乾癬は肘や膝、頭部などに表面ががさがさした赤い皮疹が出現してきます。その後全身に同様の症状が拡大することもあります。ひっかいたりすれたりすると同じような皮膚症状が誘発されることがあります。治療は軽症の場合にはステロイド外用剤、ビタミンDの外用剤を使用します。非常に治りにくい病気ですので治療も長期にわたり、外用剤の副作用も生じやすくなりますので可能であればビタミンDの外用剤を主体に治療を行います。中等症から重症の場合には紫外線療法、エトレチナート、シクロスポリン、生物学的製剤などを使用します。当科ではナローバンドUVB照射装置を用いて副作用の少ない紫外線療法を行うことができます。また、内服薬・注射による治療は副作用を生じることも多いことから十分な経験を積んだ医師のもとで行うことをおすすめします。
普通の水虫であれば最近はよい塗り薬ができていますのでしっかりと外用すれば比較的簡単に治療ができます。市販の薬でも十分効果がありますが、見た目で水虫と区別のつかない病気もあり、早期の治癒を目指すのであれば皮膚科専門医の受診をおすすめします。
爪が厚くなったり、白く濁ったり、変形したりする場合には爪の水虫の可能性があります。塗り薬のみでの治癒は困難ですので内服薬が必要となります。比較的長期間飲み続ける必要があり、時に肝臓に障害を起こす場合があります。皮膚科専門医を受診し、水虫による変化であることを確認してから治療を開始する必要があり、また、定期的な血液検査も行わなければなりません。
基本的には摘出術を行うこととなります。局所麻酔による手術がほとんどであり、全身麻酔が必要な場合などあるいは美容的な問題があるような場合には形成外科の医師と協力して治療を行います。
脂漏性角化症(老人性いぼ)などの表面だけの腫瘍の場合、液体窒素で凍らせて取り除く冷凍凝固法も行っています。この場合は局所麻酔は必要ではありませんが、一度で取り切れることは少なく、何回か外来通院を行っていただきます。
皮膚の悪性腫瘍にはいろいろあり、その悪性度も千差万別です。代表的な皮膚のがんとしては基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫(ほくろのがん)があります。
黒い腫瘍で顔面に多発します。悪性度は低く、転移はきわめて稀です。治療の基本は切除術です。腫瘍のぎりぎりで切除を行うと再発の危険があるため腫瘍から数ミリから1センチ離して切除します。
老人の顔面、やけどの瘢痕などに出現します。治療の原則は原発巣の切除です。基底細胞癌と比較すると悪性度は高く、転移することもあります。転移を起こしたような場合には化学療法、放射線療法などが必要となります。転移を起こした場合には完治は困難であり、早期治療が重要です。腫瘍から5ミリメートルから1センチメートル以上離して切除することが必要です。
お年寄りの顔に赤い表面ががさがさしたしみのような皮疹が生じてきた場合には前癌状態の可能性がありますので早期に受診してください。また、やけどをした後が瘢痕となっているようなときに穴が掘れたような潰瘍ができることがあります。治りが悪いようでしたら有棘細胞癌の可能性があります、こちらも早期に受診してください。
皮膚科領域のがんではもっとも悪性度の高い腫瘍です。日本人の場合、手のひら、足の裏にできる頻度が高いと言われています。最近はそのほかの部位にもみられることが多くなりました。思春期以降にできてきたほくろないしはあざのような皮疹で、7ミリメートル以上、色の濃淡がある、正常の皮膚との境界がハッキリとしない、不正型であるなどの特徴がある場合には悪性黒色腫の可能性があります。
治療は病期により異なりますが、基本的には手術が第一です。手術療法は主に形成外科の医師に依頼して行っています。皮膚の一番浅いところのみに腫瘍がある場合には追加治療は行わず、経過観察のみとします。それよりも深い場合にはインターフェロンの注射、化学療法などを行います。リンパ節に転移が疑われるときにはそのリンパ節をまとめて切除するリンパ節郭清を行うこともあります。遠隔転移がみられるときには放射線療法の対象となることもあります。
いずれにしても悪性度の高い腫瘍ですので多くの科の医師と連携をとりながら集学的な治療を行います。
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
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1日平均 外来患者数(人) |
37.0 | 34.7 | 30.6 | 30.0 | 30.5 |
入院患者数(人) | 190 | 166 | 122 | 115 | 129 |
※ 近年では軽症の方・状態の落ち着いた方は、お近くの医院・クリニックでのご加療継続を勧めさせていただいております。ご理解いただきますようお願い申し上げます。
氏名 | 職名・免許取得 | 専門医、認定医等 | 得意とする分野 |
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![]() 石川 哲三 |
皮膚科科長 平成13年 |
皮膚科一般 | |
![]() 江川 舞華 |
皮膚科医師 平成27年 |
皮膚科一般 | |
佐藤 人美 |
皮膚科医師 令和4年 |
皮膚科一般 |
※ 午後の診察は完全予約制となっています。
※ 休診の場合がございますのでこちらでご確認ください。
診察時間 | 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 |
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午前 | 石川 | 石川 江川 |
佐藤 | 石川 江川 |
石川 江川 |
午前(初診) | 佐藤 | 石川 | 江川 | 江川 | 石川 |
午後 | 手術検査 | 手術検査 | 手術検査 | 手術検査 | 手術日 |
※ 手術日 金曜日 午後
※ 手術検査 月曜日から木曜日 午後
※ コンサルト 月曜日から木曜日(外来患者枠と入院患者枠あり)
※ 当日コンサルは連絡必要
※ 予約外診察なし
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