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整形外科

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整形外科の診療内容メニューです。

概要・特色

毎週水曜日に山崎が担当しています。小児や成人の股関節疾患に対して、それぞれの患者さんの病状に応じた治療法を選択しながら診療を行っています。手術療法においては人工股関節に置換する手術を中心に年100例以上行っており、股関節鏡視下手術や骨切り術などの股関節を温存する手術も積極的に取り組んでいます。

股関節の痛みについて

股関節の痛みにはさまざまな病態がありますし、同じ疾患でも痛みの生じ方は十人十色です。股関節の痛みは一体どこから生じているのでしょうか。股関節は関節の基となる骨盤と大腿骨の合わさる骨・軟骨組織、それらを包む関節包や骨盤側(寛骨臼)の縁に存在する関節唇、関節を支えたり動かしたりするための筋、腱、靱帯などの軟部組織、およびそれらの組織を取り巻く神経・血管などで構成されています。病院を受診すると主にX線やMRIなどの画像検査を頼りに異常の有無が評価され、画像評価が可能な骨・軟骨あるいは関節内組織など股関節深部の病変に目を向けられがちになります。しかし、股関節は下肢の運動に関わるだけではなく、上肢や体幹の運動と下肢の運動を連動させる要(かなめ)の役割を担います。このため、股関節の周りや骨盤には強力な筋が多く集まっており、スポーツなど運動後に股関節に痛みが生じた場合には、痛みの部位、程度、および症状の出方を把握して痛みの発生部位を特定する必要があります。また、慢性的な股関節疾患をお持ちの方の場合でも、股関節の機能が損なわれるにつれて周囲の筋、腱、靱帯など軟部組織に代償性の負荷がかかり、また膝や腰椎など股関節のとなりの関節にも負担が強いられることとなり、症状が多様になると考えられます。つまり、股関節の痛みの原因となり得る病態は関節内から関節外まで多岐にわたるため、症状の改善を図るには正確な診断が必要となります。「軟骨がすり減っている」などの1つの事象だけに捉われず、股関節を構成する組織やそれを取り巻く身体に生じている構造的・機能的変化に目を向けることが正確な診断につながります。

股関節は骨・軟骨だけでなく関節包(靭帯)、筋腱、神経、血管によって構成されています。

痛みの発生部位を調べるための超音波ガイド下股関節注射

画像診断の進歩により股関節内部の病変が検出されやすくなってきたため、関節内の病変が痛みの原因として疑われることがあります。例をあげますと、股関節の受け皿側(寛骨臼)の縁に付いている関節唇という組織が傷んでいるのがMRI検査によって確認されることがありますが、関節唇の異常所見は股関節に症状のない場合や加齢変化でも認められるため、安易に関節唇の修復手術を行っても肝心の股関節痛が改善しないということが起こり得ます。本当に関節唇の損傷部に起因した痛みなのか、他に痛みを及ぼしている異常があるのかを見極める必要があり、当院の外来では超音波装置を用いた股関節内あるいは股関節周囲組織(関節外)への正確な注射を行い、痛みの軽減効果の評価を含め、総合的に考慮して痛みの生じている部位の特定と効果的な治療方針を考えるようにしています。

日本人に多い寛骨臼形成不全

わが国では股関節疾患でお悩みの患者さんの多くに骨盤側の被覆不良(寛骨臼形成不全)が関係している割合が高く、変形性股関節症の患者さんの約8割以上が寛骨臼形成不全を背景とした関節不安定性によって引き起こされる二次性股関節症であると言われています。このため、まずは寛骨臼の骨形態異常の有無あるいは程度を正確なX線検査やCT検査で評価する必要があります。また、明らかな寛骨臼形成不全が認められる場合にはすでに関節が不安定になっていないかどうかを評価する必要があり、大腿骨頭の求心性に明らかな変化を認めるようであれば不安定性ありと判定します。明らかな関節不安定性というのは関節症が進行し始めているサインであり、関節を安定させる役割を担う関節内の組織(関節唇、骨頭靱帯など)が傷んでいる可能性が高く、このまま放っておくと徐々に関節軟骨がすり減ってしまうことが危惧されます。

わが国では寛骨臼形成不全の診断に至らない健常者でも寛骨臼の浅い方が多く、この傾向は特に女性に多く認められます。このため、股関節の痛みの原因を考える上で、「股関節の安定性がわずかでも損なわれていないか」とか「安定性が損なわれかけて生じている痛みではないか」を常に念頭に置くことがとても重要になります。

股関節治療の目的

股関節の痛みに対する治療を考える上で重要なのは、治療目的が、「①現在生じている痛みを軽減させる」だけでいいのか、あるいは「②股関節疾患の進行する自然経過を改善させる」必要があるのか、の2つに大別されることです。外来で行える治療は①の治療が主体で、リハビリテーションによって痛みの再発しにくい体づくりを促すというところに尽きるかと思われます。手術治療の中でも関節鏡による手術は①の治療と位置付けて行っています。形成不全性の股関節症で関節不安定性が疑われる場合などには今後の関節症の進行が危惧されるため、②の治療として骨盤や大腿骨の骨切り術などの関節温存手術をご提案したり、関節軟骨の失われた末期股関節症に対しては人工股関節置換術をお勧めするということになります。決して、痛みに対する治療=人工股関節置換術という訳ではありません。股関節の痛みでお困りの方それぞれの病態やご本人のニーズも合わせて最適な治療を提供できるのが股関節疾患を専門とする医師の使命と考えています。当科では股関節の痛みにお困りの皆様がご納得頂ける説明や治療法をご提供できるよう努めて参ります。

代表的な関節温存手術・診療

① 寛骨臼形成不全を有する変形性股関節症に対する寛骨臼回転骨切り術

写真 寛骨臼回転骨切り術

② 大腿骨頭壊死症に対する骨頭後方回転骨切り術

写真 骨頭後方回転骨切り術

③ 関節内病変に対する股関節鏡視下手術

写真 股関節鏡視下手術

④ 関節外病変に対するエコーガイド下注射

写真 エコーガイド下注射

人工股関節全置換術

人工股関節全置換術においても、ただ変形した骨を人工物に置き換えるだけでなく、関節を構成する筋(腱)・靱帯・関節包をできるかぎり温存して安定した関節を再建できるよう、手術方法にもこだわりをもって取り組んでいます。当科での標準的な手術進入法として、仰向けの状態で股関節の前外側から展開する手法(ALSアプローチ)をとっており、また人工関節の設置にはナビゲーションシステムを用いており、術前計画どおりに正確な設置を行う技術を採用しています。この手術方法によって骨内での人工関節の良好な固定性や安全な関節可動域が確保されるとともに、関節周囲の筋腱温存により脱臼しない人工関節を目指すことが可能となっています。

写真 末期股関節症に対する人工股関節全置換術

写真 ナビゲーションシステムを併用した仰臥位前外側アプローチ

輸血について

輸血に伴う合併症予防のため、手術前に自分の血液を採取し貯めておく術前貯血式自己血輸血と、術中に出血した血液を洗浄回収し輸血する術中回収式自己血輸血を手術法に応じて併用しています。宗教上、同種血輸血や貯血式自己血輸血を拒否される方に対しても、全身状態をよく検査した上で、ご相談の上、可能な限り患者さんのご意向に添えるよう考えております。

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