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整形外科

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手の外科・微小外科

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概要・特色

手外科は、手~肘など上肢を治療の対象とする専門分野です。1940年代にアメリカで創始され、日本では戦後広島大学・新潟大学その他の施設を中心に発展しました。
当科では広島大学整形外科教室の手外科の技術を基本に、バーナード・オブライエン微小外科研究所(オーストラリア)や長庚記念病院(台湾)の手術手技を合わせて治療を行っています。当科では2010年以降年間150名以上の患者さんが手外科・あるいは微小外科による機能再建手術を受けられました。
象とする疾患が非常に多岐にわたりますので、いくつかの領域に分けて解説します。

診療内容・対象疾患

治療方法のご紹介

炎症性疾患

「指を曲げるとカクンと引っかかって戻らない、あるいは強い痛みがある。」ばね指(腱鞘炎)などがこれに含まれます。以前は手術でなければ根治できないなどと言われていましたが、最近は優れた薬剤が普及したおかげで、ほとんどの方が1~2回の注射で治癒するようになりました。残念ながら注射では治らず、手術が必要な方もおられますが、当科では1センチメートル以下の小切開で手術(腱鞘切開)を行うようにしています。

神経疾患

「手のしびれが朝方強くなって目が覚める、指の力が入りにくくなった。」手根管症候群や肘部管症候群などと呼ばれますが、手の神経が圧迫されて発症する病気です。
初期の場合は適切な装具治療やブロック注射治療を行いますが、検査の結果非常に中等度以上~重度の場合には手術が必要となります。
運動神経が麻痺していない場合の手根管症候群には手根管開放術が有効です。
当科で行っているのは1.5センチメートル~3センチメートル程度の非常に小さな切開を加える方法です。手は大変感覚が鋭敏な場所なので痛みが残りやすく、このように小さな切開で行うことにより術後の負担を軽減しています。

矢印の部分が手根管症候群手術の皮膚切開です。
この方は術後3カ月ですが、皮膚のしわと一体化してほとんど傷跡がわかりません。
また、非常に進行して運動神経が麻痺し、物がつまめなくなったり、握ることができなくなった方も再建手術によって機能を取り戻すことが可能です。手首を曲げるなど別の機能を持っている腱を移し替える腱移行という手術を行っています。
これらの病気は原因究明の検査が非常に重要ですので、必要に応じ脊椎外科医や脳神経内科医の協力の下、診断を行っています。

写真 手根管症候群手術の皮膚切開部分

外傷、切断指肢再接着

怪我や事故による腱、筋肉、骨、血管、神経などの組織損傷に対する治療を行っています。手首や指などの骨の骨折や、腱の断裂では手術だけでなくリハビリが非常に重要な要素となります。当科ではできるだけ受傷前の機能が取り戻せるように専門のリハビリテーション技師が協力しながら治療にあたっています。

転落外傷によって手首を骨折した50代の男性の写真。左が術前、右が術後です。
リハビリによりほぼ受傷前の機能を取り戻し、趣味や仕事に手を使うことができるようになりました。
また、切断されてしまった指・四肢の切断に対しても手術用顕微鏡を用いた再接合手術を行っています。成功率は怪我の状態や年齢などの要素に大きく左右されるため、残念ながらすべての患者さんが成功するわけではありませんが、指を短くせざるを得ない場合でもなるべく長く残したり、爪を残して指先を作る方法や、足から爪を移植して指先の形を温存する方法を行っています。

写真 手首骨折の術前術後のレントゲン写真

薬指を切断した1歳のお子さんの写真です。神経だけでかろうじてつながっていますが、このままでは指が失われてしまうので血管吻合(再接着)手術を行いました。
右が術後の写真です。0.4ミリメートルの血管を縫合し、指を残すことができました。

写真 薬指の血管吻合(再接着)手術の術前術後

左が術前で、右が術後です。指の先端部分を失ってしまった30代の女性の方ですが、爪移植と皮弁による組織移植を組み合わせて指の先端を形成しました。薬指(右側の指)と比較すると、指の長さが伸びていることがわかります。

写真 組織移植を組み合わせて指の先端を形成

変性疾患・変形性関節症

「最近手のひらに硬い固まりができて指が伸びなくなった」「若いころたくさん働いていたが、指先、親指の付け根や手首が痛くて生活に支障をきたしている」といった様な、年齢的な体の変化に伴って発症する病気(正確には病気というよりも体の変化ですが)です。
手のひらの塊は、デュプイトレン拘縮という病気です。進行するとやがて手の指が曲がりきって伸びなくなってしまい、手を十分に使うことができなくなります。塊を切除する必要がありますが、手のひらには重要な神経や血管が集中しているため、特殊な手術方法が必要です。

デュプイトレン拘縮の男性の手。左が術前です。薬指が伸ばせない状態ですが、術後(右)は伸ばせるようになりました。

写真 デュプイトレン拘縮の術前術後

手首や親指のつけ根、指の関節が変形してくるのは変形性関節症と呼ばれます。多くの方はご近所の整形外科の先生と相談され、温熱療法や痛み止めで治療することが有効ですが、中にはどうしても痛みが強くて日常生活に支障をきたす方がおられます。各種の関節形成術や、関節固定術、人工関節置換術といった手術の方法があり、これによって痛みを軽減することができます。

関節リウマチ

関節リウマチでは、様々な手の変化が生じます。手首や手指の関節変形、腱の断裂による指の運動障害などです。元の手に戻すことができるわけではありませんが、関節形成術や腱移行術、人工関節などの手術を組み合わせることにより機能を向上したり痛みを軽減することができます。当科では抗リウマチ薬や生物学的製剤も使用しながら手術の必要性を見定め、患者さんと相談の上で治療を進めています。

微小外科と組織移植

非常に大きな怪我や感染、腫瘍切除などによって体の大きな部分が失われた場合には組織移植が必要となります。体の別の部分から骨や神経、筋肉、指の一部などを取り外し、顕微鏡を使って神経や血管を縫い合わせ、必要な場所に移し替える手術です。 当科では血管柄付き筋肉移植・血管柄付き骨移植・遊離皮弁・神経血管付き皮弁という手術を行っていますが、これは脚から脚、足から手、前腕から手といった様に自分の体の中で行う一種の臓器移植です。平成20年度は5名の患者さんに行っています。

骨髄炎(骨の感染)により、第一指間(親指と人差し指の股)と骨を失ってしまった40代の女性。 親指が短縮した上に、開いて動かすことができなくなりました。

骨・皮膚・脂肪などを含めた血管柄付き複合組織移植により、組織再建を行った後。 外観も改善しただけではなく、いろいろな仕事ができるようになりました。

先天異常

生まれついての手や足の形・機能に問題がある場合、手術により解決できることがあります。2歳頃から手足はたくさん使うようになりますので、体が大きくなった1歳以降から手術を計画します。
その他にも多くの手や肘の病気が治療の対象になります。ただし、手と思っていたら首が実は悪かったなどということも少なくありませんので、まずお近くの整形外科専門医によくご相談の上で手の外科外来を受診されることをお勧めいたします。

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