大腸がんこのページを印刷する - 大腸がん

担当診療科

早期大腸がんの治療(内視鏡治療)

大腸癌は早期発見早期治療がもっとも治療に効果的で、完治する確率も高い疾患です。しかし、初期の症状はほとんどないため、気付かずそのまま経過することが多いようです。 大腸癌検診では便潜血検査が推奨されており、潜血陽性の場合は大腸内視鏡検査(大腸カメラ)による精査が必要となります。

 

大腸ポリープ、大腸癌

大腸ポリープの多くは腺腫と呼ばれるものですが、大きいものほど大腸癌を発生する可能性が高くなります。腫瘍の大きさ、深達度、リンパ節転移などにより内視鏡治療、手術などの治療適応が決まります。早期癌のうち、リンパ節転移の可能性が低いと考えられる病変に対して内視鏡治療を行います。

 

大腸EMR(内視鏡的粘膜切除術)

大腸ポリープ、大腸癌のうち5~20mmのものは大腸EMRの適応となります。

①粘膜下液体注入

②スネアをかける

③通電により切除

 

大腸ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

大腸EMRで一括切除困難な大きな病変に対して大腸ESDが適応となります。大腸ESDは高度な技術が必要ですが、呉医療センターでは2009年から施行しており、現在まで500例以上に行い、良好な治療成績を示しております。

①大きな早期大腸癌です

②周囲を切開し少しずつ腫瘍を粘膜下層から剥離します

③かなり剥離がすすみました

④腫瘍を一括切除した後の潰瘍底です

外科治療(手術)

早期癌でも,内視鏡的治療が困難な癌には手術が行われます。 従来、開腹手術が行われていましたが、現在は、進行癌も含めほとんどの患者さんに対して腹腔鏡下手術が行われています。

腹腔鏡手術

実際の手術風景

炭酸ガスで腹部を膨らませて腹腔鏡を腹部に入れ、その画像を見ながら小さな孔から器具を入れて手術を行います。腫瘍を摘出するために1ヵ所、4~6cmくらいの創(きず)が必要です。手術時間は開腹手術とほぼ同等で、小さな傷口で手術ができるので、術後の痛みや腸管への影響も少なく、早期退院できるなど体への負担の少ない手術です。また、カメラの拡大視効果により、精緻な手術が可能となり、肛門に近い部位に位置する超低位の直腸癌に対して、永久的人工肛門をつくらず、 肛門を温存する術式にも有効です。

 

大腸癌手術症例

薬物療法(抗癌剤)

薬物療法の目的は、①術後の再発予防、②手術できない場合や術後再発に対する治療、に大別されます。基本的に大腸癌治療ガイドラインに沿って、遺伝子パネル検査なども取り入れつつ行っています。